我々人体を構成する骨格と筋、筋膜、またそれぞれを構成する細胞、その細胞自体を作る細胞小器官、細胞小器官を作るタンパク質分子、タンパク質分子を作る原子。このような要素が自己組織化して一つ上の複雑な構造を作り出す“基本原理”がR・バックミンスター・フラーが発見した「テンセグリティー」であると、D.E.イングバー(ハーバード大学医学部准教授)は述べています。
「テンセグリティー構造」の特徴は連続する引っ張り材(生体では腱に相当する)と、それを支える不連続な圧縮材(支柱:生体では骨に相当し、骨自体もテンセグリティー構造をもっている)で構成されているところであります。
つまり、腱と筋が骨につながることにより3次元のテンセグリティー構造ができあがり、生体の体重を支えながら運動を可能にしています。
つまり、腱と筋が骨につながることにより3次元のテンセグリティー構造ができあがり、生体の体重を支えながら運動を可能にしています。
そう考えると歯科が扱う歯(顎口腔系)も全身の健康を司る構成要素であり全身の調和を保っています。つまり、歯(顎口腔系)は全身にも影響を与え、全身からも影響を与えられます。私たちは歯(顎口腔系)をそのように捉え治療するように心がけています。
テンセグリティー構造
■63歳の女性の症例 (ご本人のご承諾を得て掲載しております。)主訴:咀嚼不能、下顎下部の痛み、背部痛、腰痛、疲れ易い等々多数の不定愁訴治療:全ての歯を治療用の歯に代えました。
結果:約1ヶ月後のレントゲン写真です。この時点で全ての不定愁訴が改善されました。
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◆正面のレントゲン写真@ 左右の眼窩上縁を結んだ線、左右の頬骨弓下縁を結んだ線を比較してみても右側の方が左右対称に改善されています。 |
◆側面のレントゲン写真 左側:左右の外耳孔の位置に差異がみられます。 右側:外耳孔が重なってきています。 |
◆正面のレントゲン写真A 頭頂部から鼻の付け根を結びそれを延長しますと頭に対する顔、及び下顎の相対的位置関係を確認することができます。左側に対して右側の方が左右対称に近づいています。 |